会心

歓喜の瞬間

先週とは違い、日陰に入ればまだひんやりと肌寒い、春らしい穏やかな日和の中、福岡は「ある意味」会心の勝利を納めた。どうも前節の熱が冷めていなかったのか、チャンスの少ない内容にガッカリしている自分に気がついて、「いや、よく考えたらこれがウチのフットボールなんだっけ」と思い直した。何より完封したことは素晴らしい。
前半は、それはそれは「これぞJ2」というような、昨日の日和そのままの展開に終始した。中盤でヘディングの応酬が10回くらい続いたときは「何のスポーツだ」と思ったりもした。そう、これも初めてのことではないなあ。観戦していたサイドにはあの城がいる。「オオクボもまたコイツのようになってしまうのか‥‥」などと思いを巡らせながら、ときおり見せるかつての輝きのひと欠片を探していた。が、まあこれ以上はやめよう。
後半になれば、福岡の戦い方の“保険”とも言うべき太田シフトを導入。しかし何故かロングボールをあててくるようなことはあまりしないで、太田がサイドに流れている展開が多かった。だから後半は太田がどうのというよりも、中盤をダイヤモンドにしてグラウシオを10番のポジションに置いたことが功を奏したといえる。
このゲームを観ていて一番印象に残ったことは、グラウシオと周りの関係が良くなってきているな、ということだった。特にホベルトとの縦の関係がよく、ここからいい形が数多くつくれるようになってくると、面白い。サイド偏重だった攻撃にも幅を持たせることになり、昨日のように「サイドにスペースを無くす」という福岡対策を揺らがせることに繋がるのではないか。
ともあれ、守備に関しては「ゆるい」時間帯はなかった。すごく集中出来ていたと思う。前節の良くも悪くもエキサイティングなゲームの後にあのような勝ち方が出来た、そのことは良かったんだと思う。
次々節に京都戦が控えていることからも、何よりも今は結果が求められるのだろう。
そして出来れば早いうちにトップに躍り出ることで、チームに高揚感(それによる良い循環)が出てくることを祈りつつ。