ボーダレス

日本人がメジャーで世界記録を達成する──そんなことは5年前では誰も考えなかったろう。なるほど、イチローの新記録達成でアジアはもとより、野球が盛んな中南米の国々でもトップニュースとして扱われているようだけど、メジャーで実際に戦っている選手たちは、同じグラウンドで競い合っている仲間として、国籍うんぬんはまったく気にしていないそうだ。だから、メジャーリーガーに「日本人選手」の印象を聞くと鼻で笑われてしまう。「何を言っているんだ?そんな先入観はとうの昔に取り払ってしまっているよ。でないとやっていけないのが今のメジャーなんだ」と。
この影に隠れてしまったかのようだが、松井秀喜の打率.298・31本塁打・108打点もまた輝かしい数字だ。思えば、日本での二人の経歴も似たようなところがある。彗星の如く突然記録を塗り替えたイチローと、徐々に成長し、日本で最もプレッシャーのかかるポストでの3冠王に準ずる活躍を果たした松井。ただ、これほど打ちまくったイチローでも、ポストシーズン出場には遥か及ばず、これから始まる熱戦に記録樹立の興奮は薄れるだろう。松井にとっては昨年も活躍したシーズンがこれから始まるのだ。
プレーオフの8球団決定」
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/mlb/headlines/20041004-00000010-kyodo_sp-spo.html