概して、4大大会の決勝というものはあっさりとしたものだ。そういう印象を抱くようになった原因は、間違いなくフェデレにある。今シーズンの4大大会の3つを制し、決勝で落としたセットは全英でロディックに許した1セットのみ!圧倒的である。
これじゃ観客はこれから決勝のチケットは買わなくなるんじゃないか、そう思わせるほど。(何しろ、フェデレは大会決勝で今回を含めて11連勝中だという)
それにしても相性というのだろうか、守備力ではNo.1と目されるヒューイットをして、1ゲームもとれない6-0のセットが2つ(これを公式サイトの記事では"double-bageled"と表現している。ベーグルは輪の形をしているからだろう)。ヒューイットはまだ2001、2002年と続けてランク1位になった頃の輝きを取り戻せない。この二人は同い年で先に頂点を極めたのはヒューイットだったのだが、やはりあの体格では最高の状態を数年に渡って続けていくことは難しいのだろうか。無論、モチベーションの問題もあるだろうが。ストロークのラリーにしても、ベースラインにべったりとついて離れないフェデレに対し、ヒューイットはゆうに70センチは離れている。そうなるとフェデレの早いタイミングでの切り返しにヒューイットは防戦一方となって、能動的にゲームを進めることは叶わない。たまに訪れるフェデレのミスに乗じることもできずに、攻めるべきところでうまくリズムを作れなくなってしまうようだ。相手にプレッシャーをほとんどかけることができないまま、2時間にも満たないファイナルは終わった。
ただし、2セット目の頑張りを光明として、来る全豪への序章とするなら、この試合も意味のあるものになるのかもしれない。
「Amazing Federer Wins Third Slam of the Year by Slamming Hewitt in Final」
http://www.usopen.org/en_US/news/articles/2004-09-12/200409121095039385760.html