プロとアマチュア

競技レベルのことを考えれば、極論に過ぎるのだろうが、すべてプロで臨んだサッカーと野球が共に期待に応えることができなかった。対してメダルラッシュを続ける他の競技におけるアマチュア選手‥‥。今回は報奨金も上がっているようなので、アマチュア選手にとってはモチベーションの一助になっていることとは思うが、やはり五輪はアマチュアの祭典なのだという思いを強くさせる、これまでのアテネである。
その背景には莫大な利権が潜んでいるにしても。
苦しくなったらヘッドスライディングといった「ひたむきプレー」を敢行し、あたかも高校野球(アマチュアリズムの頂点ともい言うべき)という彼らの原点に戻ったかのように錯覚してしまったのは、悲しい皮肉と言える。
彼らは勝つことでプロとしてのプライドを保たなければならなかった。低迷が声高に叫ばれるようになったプロ野球人気を盛り返したかった。しかし、そのバックボーンである機構は大いに揺れ動いており、選手会との溝は深まるばかりだ。
メダリストの背景には多くのスタッフの支え、家族の献身的な応援など、納得させられる要素がある。頑張れる理由が。それをはっきりと自覚出来るかできないかが、勝負を分けることがあるということ。もう、プロが参加する五輪競技は見たくない。野球ならワールドカップ、サッカーならFIFA主導のもと、まともな日程を組んでU-23選手権でもやればいいのに。
よほど、体操競技のトップ選手達が行ったエキシビジョンのほうが華やかで、素晴らしいものだった。